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25.03.17

活動報告

【意匠委員会】令和6年度2月 意匠委員会を開催しました。

意匠委員会は、令和6年度2月委員会として、以下の通り開催いたしました。

 

1.日時:令和7年2月18日

2.場所:ビジョンセンター浜松町1階103室

3.内容:『デザインってどう活用する?~審査官との連絡協議会~』

特許庁側登壇者:5名

JAFBIC側登壇者:

・生稲 淳一 意匠委員会委員長

・副田 圭介 意匠委員会副委員長

・竹本 一志 理事長

 はじめに、特許庁意匠課長から『知られざる意匠登録制度』についてご講演いただいた。講演において、中国や米国からの意匠出願が増えていること、生活用品やオフィス家具の出願も増えていることなどが紹介された。また、意匠制度に関して、①意匠権はあまり使われていない制度ではないか、②意匠権は技術・機能とは無関係ではないか、③意匠権はブランド保護とは無関係ではないか、といった誤解されやすい観点について、①登録意匠の公報をみて設計変更が行われることや警告後和解に至るケースが多いこと、②食品トレー容器など「機能」と密接に結びついた形態も保護できること、③外観のみを真似た粗悪な模倣品に対しては、特許権は使い物にならないが意匠権では権利行使を行うことができブランドの形成・保護に役立つこと、について説明があった。新規性喪失の例外規定の適用を受けるための制度緩和や知財ミックスの考え方についてもご紹介いただいた。

 続いて、特許庁審査長から『意匠審査部門の現状と取組み』についてご講演いただいた。

 審査官が、どのように審査を行っているのか、意匠法や審査基準の規定に沿ってご説明いただいた。バッチ審査と呼ばれる手法により計画的に審査が行われていることや、審査官が出願人とのコミュニケーションを重視していることについてもご紹介いただいた。

 その後、生稲意匠委員長及び副田副委員長が『アンケート及び事例紹介』について発表した。

 質疑応答では、意匠審査官はどのようにして類否判断ができるようにスキルアップしていくのか、という質問があった。意匠審査官は、新人のときから、先行意匠と非類似の意匠について意匠登録をする判断に加え、先行意匠と類似の意匠について拒絶する判断(拒絶査定)等の多くの事例に触れていくなかで、意匠の類否判断を経験していくことを教えて頂いた。しかし、ほとんどの拒絶理由は公表されず、出願人が拒絶理由通知に触れる機会が少ないため、意匠の類否判断に数多く接していないことが、「権利範囲がわからない(意匠の類否判断が難しい)」と感じる理由かもしれない、との意見もあった。

 また、パッケージ上の文字については、「物品等に表された文字、標識は、専ら情報伝達のためだけに使用されているものを除き、意匠を構成するものとして扱う」との審査基準に沿って審査が行われている点についてご紹介いただいた。

 「権利が狭い」との意見に対して、特許庁から、「特許であれば、請求項を増やして権利化することがあるが、意匠について言えば、意匠権一件が請求項一項に相当するものであると考え、一つの発明を一つの請求項で保護することがないことと同様に、意匠も複数の登録意匠で多面的に保護することを検討すべき」とのご意見を頂いた。

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