2018年度より開始した知財経営推進人材育成研修は、「知財を経営に活かせる攻めの人財」を育成する研修として、2022年度までに約70名の卒業生を輩出しました。研修では、知財戦略だけでなく経営デザインシートやIPランドスケープの実践方法、経営戦略やビジネスモデル、ブランディング等の理論についても学ぶことができ、多岐にわたる内容となっています。
また、令和5年度より開始したデザインアプローチ経営研修は、知財権の獲得だけでなく「知財権を活用したビジネスをデザインできる人材」を育成するための研修です。小さな変化の兆しから、将来像を作り上げ、現状からその将来像に向かって何をすべきかとの戦略立案を、デザインアプローチを使って1から実践できる人材を育成します。
知財経営推進人材育成研修
- 本研修の概要
- JAFBICでは、本研修を2018年度より開始しています。著名な講師の方からご講演を賜り、それに関するグル-プディスカッションを通じて、最先端の知識を深めています。2021年度からは、実在する協力企業の知財権等をベースとした戦略提言を作成し、協力企業の経営者に対してプレゼンを行い、優秀なプレゼンを表彰する実践的な研修も実施しております。
また、同種の食品関連企業どうしが集まっているというJAFBICの強みを活かして、共感できる悩みや課題をテーマとした活発な議論も行っており、各社で実現しやすい知財戦略のアイデアが持ち帰れる内容の研修となっています。さらに、知財の知識がなくても受講できますので、これまで知財部門の方のみならず、R&D部門、経営企画部門、特許事務所の方にもご参加いただいており(毎年20名前後参加)、今後も多様なバックグラウンドを持つ方々の参加を通じて、ダイバーシティのある研修を目指していきたいと考えております。
- 本研修の目的
- 近年、我が国の食品産業は、人口減少による市場縮小と輸出の増加、安定的なサプライチェーンの確保、廃プラ・食品ロスに代表される環境問題への対応等、様々な課題に直面しています。そして、これらの課題を克服するためには、イノベーションやブランディングによる高付加価値化・差別化が不可欠になってきています。このような社会変化を背景に、企業の持続的な成長に関わる「知財・無形資産」に注目が集まっており、経営者からの知財部門への期待は益々高まってきています。
そこで、本研修では、従来型の権利化・リスク対応(守り)だけでなく、知財その他の専門知識をベースに、経営戦略に関するスキルとセンスを身に付け、「情報分析を通じて具体的な戦略提言ができる人材」を育成することを目指しています。そして、知財・無形資産の創出および活用を通じて、経営課題を解決し、競争力を強化し、企業価値を高めて、会社の未来に貢献できるような「攻めの人材」を育成していきます。
- カリキュラム
- 学習するテーマは多岐にわたっており、「知財部門への役割、期待の変化」、「三位一体の重要性」、「イノベーションが生み出す企業価値」、「ビジネスモデル・バリューチェーン」、「IPランドスケープ」、「経営デザインシート」、「ブランド戦略」、「契約交渉術」等、知財や経営に関する最新トピックスを効率的かつ網羅的に学習できるようになっています。また、ケーススタディ学習(4例程度)も行っており、知財部門が経営課題に対してどの様に貢献していくか、具体的な事例を通じて気付きを得ながら、センスを養っています。さらに、協力企業が抱える課題やテーマを題材として、経営デザインシートとIPランドスケープを実践して、グループワークにより戦略提言を作成いただきます。協力企業の経営者から直接フィードバックが得られるので、どんな戦略提言が経営者に刺さるのか、具体的に体感できます。今後は、できるだけ特許に偏らず、商標やブランディングを多く取り組んだカリキュラムを策定していく予定です。
- 日 程
- 2024年度の開催日程は以下のとおりです。これ以外にも、年3回程度の特別講演会を開催しています。特別講演会は、初回のオリエンテーション時に受講生にアンケートを行い、その結果に基づいて、興味・関心の高いテーマについて実施しています。なお、研修会は、原則、対面にて開催いたしますが、オンラインを併用することもあります。会場は、主にJAFBIC会員企業の会議室を利用させていただいております。
令和6年度
- 第1回
6月26日 - 開校式・オリエンテーション・自己紹介
- 第2回
(合宿)
7月19日
~20日 - 1日目 「企業経営と知的財産」
2日目 「技術契約の留意点と交渉の進め方」
元セイコーエプソン株式会社 弁理士 上柳 雅誉 氏 -
実践演習:
協力企業の紹介
- 第3回
8月26日 - 「IPランドスケープと経営デザインシート」
株式会社シクロ・ハイジア 小林 誠 氏 - 第4回
9月26日 - 「ビジネスに効く特許情報活用の基本」
イノベーションリサーチ株式会社 武藤 謙次郎 氏 - 第5回
10月25日 -
「知財担当に求められるコミュニケーションの心構え」
株式会社サンゲツ 高橋 匡 氏「M&A投資戦略における知財情報の活用」
NTTコミュニケーションズ株式会社 松岡 和 氏 -
実践演習:
経営デザインシートの作成及び
IPランドスケープの実施(個人ワーク)
- 第6回
11月18日 -
「ブランド戦略入門」
中央大学 名誉教授 田中 洋 氏ケーススタディ学習(2例) - 第7回
12月17日 - 「知財を価値に換えるビジネスモデル」
株式会社テックコンシリエ 鈴木 健二郎 氏 - 第8回
1月15日 -
「経営に資する戦略的な知財部門の構築に向かって」
学習院大学 教授 米山 茂美 氏ケーススタディ学習(2例) -
実践演習:
戦略提言の検討(グループワーク)
- 第9回
2月14日 - 「知財戦略を考える25のポイント」
元花王株式会社 弁理士 加藤 実 氏 - 実践演習:プレゼン案の完成
- 第10回
3月14日 - 成果発表会
- 実践演習:最終報告
*5回目~9回目までは10時または11時からの開催になります。それ以外は合宿を除き午後のみです。
デザインアプローチ経営研修
- テーマ :
- 社会を変えるデザインの可能性
- 講師 :
- STUDIO POLICY DESIGN
代表理事 橋本 直樹 氏
- 第1回
『夢を描く/寄り添いたい誰か』 -
- 参加者に未来を変える兆しとなるかもしれない、記事やニュース等を集めていただき、これらを元に起きるかもしれない未来に思考を飛ばすとともに、夢を描いていただきます。
- 参加者が描いた夢の中で、焦点を当てていきたい人は誰なのか、考えていきます。その人は、どんな暮らしをして、何を大切に考えているのか、多様な人物像を掘り起こしていきます。
- 第2回
『解きたい問/発想する』 -
- 未来の人々はどのような課題を持って暮らしているのか、事業アイデアを考える起点となる問いを定義していきます。良い問いが、良いアイデアの源泉となります。
- 問いを元に、具体的な事業のアイデアを発想します。そのアイデアは、どんな未来のどんな人に向けたものなのか、これまで参加者同士で議論してきた内容をまとめていきます。
- 第3回
『創って遊ぶ/想いを伝える』 -
- 考えたアイデアを表す具体的なカタチにして表してみることで、また違った気づきをえて、アイデアをさらにブラッシュアップします。
- 考え出したアイデアを、ストーリーに載せて伝えます。なぜそのような世界になり、どうしてそのアイデアが世界にとって必要となったのか、伝えていただきます。
令和6年度
- 導入回
- 令和6年10月23日(水) 14:00~16:00
- オンライン
- 第1回
- 令和6年11月19日(火) 10:00~17:00
- 友愛会館中ホール(港区)
- 第2回
- 令和6年12月20日(金) 10:00~17:00
- 友愛会館中ホール(港区)
- 第3回
- 令和7年1月27日(月) 10:00~17:00
- 友愛会館中ホール(港区)
令和5年度
- 第1回
- 令和6年1月22日(月) 10:00~17:00
- 友愛会館中ホール(港区)
- 第2回
- 令和6年2月27日(火) 10:00~17:00
- 友愛会館中ホール(港区)
- 第3回
- 令和6年3月18日(月) 10:00~17:00
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一般財団法人日本教育会館 8階
(千代田区)